ミオ・ファティリティ・クリニックの見尾 保幸先生らのグループは、胚発育不良症例にzona-free前核期胚を作成し、妊娠例を報告しています。
彼らは、成熟卵でありながら、卵細胞膜と透明帯の間に繊維状構造が残存していたり、卵細胞膜と透明帯が一部癒着した状態にあると、その部分が第一、および第二卵割の際にフラグメント化して、形態不良になる現象を発見しています。さらに受精を確認し、前核期胚となった時点で、透明帯をレーザーにて切断除去して、zona-free前核期胚を作成し、その後胚盤胞期まで培養すると、形態良好胚が有意に多く得られることを見出しました。4例の難治性体外受精実施患者さんに胚盤胞を移植し、内、2例で継続妊娠が成立しています。
(吉村 やすのり)