法務省の発表によれば、今年の司法試験で3,779人(前年比149人減)が受験し1,592人(189人減)が合格しています。昨年に続き、政府が合格者数の目標とする1,500人を上回っています。合格率は42.13%(3.21ポイント減)でした。今年の合格者の内訳は、法科大学院の修了者が471人、大学院在学中の受験者が680人、予備試験合格者が441人でした。
法科大学院別の合格者数では、慶應大が最多の146人、早稲田大が139人、東京大が121人、京都大が107人と続いています。合格者のうち男性は1,111人、女性が481人です。合格者の平均年齢は26.9歳で、最年少が17歳、最高齢が70歳でした。
法科大学院は、今年で2004年の新設から20年の節目を迎えています。法科大学院の開設は、裁判員制度と並ぶ司法制度改革の柱でした。知識偏重との批判があった司法試験のあり方を見直し、思考力や倫理観を身につけることを目指しています。同時に、法的なサービス受けやすくするため、1,200人程度だった司法試験合格者数を2010年頃に3千人にする目標を掲げていました。
法科大学院の志願者数も当初の約7万3千人から、2023年には約1万2千人まで激減しました。一時74校あった法科大学院は撤退が相次ぎ、入試を実施するのは34校に半減しています。合格者数について、2015年には1,500人程度に下方修正しています。
(2024年11月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)