経済協力開発機構(OECD)のデータに基づく調べによると、15~24歳の若者の失業率は、スペインの40%超を筆頭に2桁を示す国がずらりと並んでいます。対照的に日本は最低レベルの5%台にとどまっています。日本の失業率の低さは、若者による現状への肯定感を生む一因とされてきています。
コロナ禍にあって、全国の大半の小学校、中学校、高校では登校の再開にこぎつけていますが、多くの大学はオンライン授業を続けてきています。パソコンやスマートフォンの配備に限界がある小中高に比べ、大学は導入しやすく続けやすい面はありますが、リアルな学びの機会は喪失されたままです。オンライン授業の長期化は、学生に多くの負担を強いています。普通の大学生活という経験値を持たない新入生に自助を求めるのは酷であり、人との接点が薄れる中で共助にも頼りにくくなります。ポストコロナのニューノーマルにおいて、失業率が増えることが懸念されます。
(2020年9月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)