合計特殊出生率とは、1人の女性が生涯に産む子どもの平均的な人数です。15〜49歳の女性が産んだ子どもの数を基に毎年算出しています。人口を維持するためには、おおむね人口置換水準である2.07を保つ必要があります。1975年に2を割り込み、長期的に低下傾向が続いています。政府は、結婚したい、子どもを持ちたいと願うすべての人の希望がかなった時に実現する希望出生率を1.8と想定し、政策目標に掲げています。
日本の出生率は他の多くの先進国に比べても低迷しています。2022年も過去最低に並ぶ1.26に落ち込み、反転の兆しは見えません。内閣府がOECDによる国際比較データを基にまとめた資料では、女性の経済参画が進んで男女差が小さい先進国ほど、出生率は高い傾向にあるとされています。国境を越える人口移動が乏しい日本では、将来の人口規模はほぼ出生率に左右されます。
(2023年7月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)