岡山大学の研究チームの発表によれば、同性カップルへの生殖医療について、産婦人科の医療施設で倫理的・社会的に問題がないとする考えが徐々に広がっています。女性の同性カップルが、生殖医療で子どもを持つ場合、提供された精子が必要になります。しかし、日本産科婦人科学会は会員への見解で、提供精子による人工授精を法的に婚姻した夫婦に限っています。男性の同性カップルの場合は、代理出産が必要になりますが、日本産科婦人科学会は、同性カップルに限らず代理出産を認めていません。
今回の調査では、女性の同性カップルが提供精子による人工授精を受けることについて、45.1%の施設が倫理的・社会的に問題ないと答えています。2018年の前回調査から9.5ポイント上がっています。実施する可能性があると回答した施設も11施設から21施設に増え、3施設は実際に実施しています。
男性の同性カップルのために代理出産に携わっていた施設もあります。1施設が、男性カップルの精子を代理母に人工授精していました。2施設が、提供卵子と男性カップルの精子で体外受精し、代理母に出産を依頼していました。
与野党は、特定生殖補助医療法案の国会への提出を目指しています。法案では、精子や卵子の提供を受けられるのは、法律上の夫婦のみに限定されています。
(2024年12月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)