味覚障害

 高齢化に伴い、味が分からなくなったり、おかしくなったりする味覚障害になる人が増えています。味を感じるセンサーの味蕾は、加齢で減少します。味覚障害は、味が薄く感じたり、分からなかったりして現れます。逆に何もないのに味を感じたり、本来とは違う味に感じたりすることもあります。舌の痛みを伴うこともあります。健康な人でも、食生活の偏りや過度の飲酒や運動などで亜鉛が足りなくなることがあります。また、他の病気で服用している薬の作用や消化器の病気で、亜鉛が体内に吸収されるのを妨げられたり、糖尿病、腎臓などの病気で亜鉛が体外に排泄される量が増えたりすることもあります。
 治療には亜鉛を補う薬を服用します。昨年3月に銅過剰症ウィルソン病の治療薬ノベルジンが亜鉛不足の治療薬として承認されました。味覚異常は食欲不振の原因にもなり、特に高齢者は身体や認知機能の低下につながります。亜鉛は牛、豚、鶏のレバー、カキやホタテなどに多く含まれています。

(2018年1月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。