喫煙の弊害

喫煙の弊害については、すでに多くの研究で明らかになっています。タバコの煙には、重金属、放射性物質、ベンゾピレンなどの50種類以上の発がん性物質が含まれています。喫煙は日本人の最大の死亡原因であり、2007年の厚生労働者のデ-タによると、喫煙が原因と考えられる超過死亡数は、年間約128000人に上るとされています。その大部分は肺がんや喉頭がん、食道がん、虚血性心疾患、脳卒中などです。特に、肺がんのリスクは、非喫煙者に比べて男性では4倍以上になります。心筋梗塞を起こすリスクも男性で3.6倍になります。最近のデ-タでは肺がん患者数は年間約13万人に上り、その60%が死亡しています。
肺がんはもちろん、喫煙関連疾患の中では重症化すると日常生活に支障を来すほど肺機能が低下する慢性閉塞性肺疾患(COPD)も重大な疾患です。肺がんは非喫煙者でも罹患することが少なくありませんが、CDPOに罹患する方の95%は喫煙者です。禁煙によって、肺がんやCDPOなどのリスクが大幅に減ることは明らかです。また、喫煙者は非喫煙者に比べて余命が平均10年短くなるとされています。

(日医雑誌 143:PS1-PS-2,2015)
(吉村 やすのり)

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