労働生産性は、アウトプット(成果)÷インプット(投入)で算出されます。就業者や企業の生産性は数値化できます。2023年の日本の就業者一人あたり労働生産性は、OECD加盟38カ国中32位でした。時間あたりの数字とともにG7で一番低くなっています。
国会議員の生産性を就業者や企業と同じように数値化するのは難しいものの、計算式に仕事をあてはめてみることで生産性をいかに高められるか考えることはできます。成果を大きくし、投入を小さくすれば生産性は上がります。議員立法や議会での発言、質問主意書、当選の数などが考えられます。
立法の観点で国会議員の成果を最大化するためには、議員立法の成立数を増やし、政府提出法案に必要な修正を加える必要があります。現状は議員立法の優先順位は低く、野党案の多くは審議すらされません。政府案の修正も少なくなっています。計算式で分母になる投入の方を減らすにはデジタルによる効率化が必要です。議員定数の削減は投入の低減に直結します。一人ひとりの能力を高める人的資本投入も不可欠です。
名目GDPは世界2位から4位に落ち、一人あたりの数字はOECD加盟国中22位です。実質賃金も横ばいを続け、G7各国に引き離されています。国会議員は、日本の将来の経済成長や国際的な地位の向上につながる長期的な観点の政策に注力していく必要があります。国会議員は生産性を高め、国会全体の成果として国民生活の豊かさにつながったと示すことが求められます。
(2025年3月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)