感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異ウイルスが、国内でも徐々に広がってきています。検疫を除き2月22日までに国内では、17都府県で135人の感染者が確認され、3週間で5倍に増えています。変異株かどうか調べられているのは、感染者全体の1割に満たない状況であり、全体像は見えていません。変異株のクラスターが国内で確認されるようになってきています。
商用での外国人の入国が止まっており、検疫での感染確認は2月9日以降、ゼロです。すでに国内に入り込んでいた変異株が、少しずつ広がっていると考えられます。変異株のスクリーニングを強化し、感染経路を特定し、拡大を防いでいく必要があります。
世界的に感染拡大が懸念される変異株は、英国、南アフリカ、ブラジルから報告があった3種類があります。ウイルス表面に突き出たスパイクたんぱく質にN501Yという変異があり、感染しやすくなっていると考えられています。南アフリカ、ブラジルから報告された変異株と英国型の一部には、N501Y変異に加え、従来の流行株に感染して得た免疫が効きにくくなる恐れがあるE484Kという変異もあります。
(2021年2月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)