国内インフラの老朽化

 国内では、経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進んでいます。1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、下水道管の劣化などに伴う破損が原因とされています。国土交通省によれば、建設後50年以上経過した老朽化状態のインフラは、2040年3月時点で道路橋の75%、河川管理施設の65%にのぼる見通しです。

 インフラ補修の人手不足も深刻です。帝国データバンクの調査によれば、2025年1月時点で正社員不足と回答した建設業界の企業は7割に上っています。こうした中でインフラを効率的に維持するには、ビッグデータやAIの活用が大きなカギを握っています。道路や水道管などのインフラ点検にビッグデータを活用し、劣化を早期発見する取り組みが相次いでいます。

 ドローンもインフラ点検の情報収集に大きな役割を果たしています。インプレス総合研究所によれば、2030年度の国内ドローンサービス市場予測(5,288億円)のうち、約4割を点検サービスが占めると推計されています。学術分野でもビッグデータを活用したインフラ解析が注目されています。道路の画像から劣化を解析するデータセットも発表されています。劣化の検知が自動化できると、同じ予算でより多くの箇所を直せるようになります。

(2025年4月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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