外務省によると2019年1月時点で国連機関で働く日本女性は、一般職を除く専門職以上が542人、そのうち局次長級以上の幹部が41人です。2001年に比べると、それぞれ2.5倍、3.1倍に増えています。日本人職員に占める女性の割合は、専門職以上が61.5%、幹部で47.1%に上っています。国連機関全体の女性比率は、それぞれ44.7%と36.8%で、世界的に見ても日本人女性の比率は高くなっています。2017年5月には、UNHCR出身の中満泉氏が、軍縮担当の国連事務次長に就きました。国連事務総長、副事務総長に次ぐ要職で、日本人女性が国連事務局の事務次長に就くのは初めてです。事務次長の下の事務次長補級には日本人が8人いて、そのうち4人が女性です。
1999年に男女雇用機会均等法が改正され、日本国内でも女性の社会進出が一気に進みました。それでも国家公務員の女性比率は、今年7月で19.9%、課室長相当職以上では5.3%に過ぎません。民間企業も2018年度の雇用均等基本調査によると総合職が18.8%、課長相当職以上が11.8%です。国連機関の女性比率とは大きな差があります。国連機関は、ジェンダーを含め徹頭徹尾多様性を尊重する組織です。女性にとっては日本の組織より働きやすいと思われます。
(2019年11月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)