国際共著論文とは、1つの国の大学や研究機関、企業に所属する研究者が、別の国の大学や企業などの研究者と共同研究した成果を書いた論文のことを言います。様々な国の研究者が協力し合うことで、互いの持つ専門分野を生かして研究を加速させたり、希少なデータを有効活用したりすることができます。研究者の国籍よりも、所属する組織がある国によって、どこの国の論文かを判断することが多くなっています。
文部科学省科学技術・学術政策研究所がまとめた科学技術指標2020によれば、2018年の国際共著論文数は44万7,600本で、5年前の2013年比で4割増えています。論文全体に占める国際共著論文の割合も28%と同4ポイント増えており、全体の論文数の増加を上回る勢いで増えています。中でも、物理学や計算機科学、数学といったハイテク技術と関連のある分野は、全体に占める比率が3割9を超えており、他の分野と比べても高くなっています。
(2020年9月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)