世界知的所有権機関(WIPO)によれば、知的財産権でアジア勢の存在感が増してきています。2018年の特許の国際出願件数で、アジアの国からの出願が初めて5割を超えました。通信やAI関連などで、中国の勢いが鮮明で首位の米国を急速に追い上げています。2位の中国は9%増の5万3,345件と、首位の米国(1%減の5万6,142件)に接近しています。一方、技術革新をリードしてきた米国の出願は減少傾向にあります。
個別企業では、上位10社のうち、日中韓の企業が6社を占めています。1位は前年に続き中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)で、次世代高速通信5G関連の特許全体の約3割を占めるとされています。2位に順位を上げた三菱電機は、自動車の制御技術などの開発に力を入れています。教育機関の出願件数は、上位10校のうち9校をカリフォルニア大、深圳大など米中の大学がしめています。日本の最高は11位の大阪大学で、東京大学は14位でした。
(2019年3月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)