地域創生戦略としての寛容性

 故郷を出た若者に、地元へ帰ろうという発想はありません。仕事がないことがUターンの阻害要因になっていますが、働き先が少ない沖縄県はUターンする若者の割合が69.0%と、全国平均の42.4%を上回りトップです。経済指標が高いとは言えない北海道や宮崎県もUターン率は高くなっています。

 若者の価値観に対して不寛容な気質の地域からは若者は去り、そして戻ってきません。ライフルホームズ総研は、女性の生き方や家族のあり方への寛容性や個人主義を認める度合いなど8分野64項目で47都道府県を点数化しています。

 寛容性を横軸に、Uターン意向を縦軸にした場合、沖縄のほか、大阪、兵庫、福岡など大都市を抱えた府県が右上に、山形、秋田、鳥取など人口減少に悩む県が左下に集中しています。地域社会の寛容性は住民をその地域にとどめ、他所へ転出した若者を呼び戻す力を持っています。寛容性とは、地域創生戦略を考える上で重要な指標と考えられます。

 寛容性とは他の可能性を認めることです。多様性を認めることです。新しいアイデアで、新しいことを始めようとする人を受け入れる素地があるか、邪魔しない、口を出さない、足を引っ張らない、新しいことを始める人を応援する、これが寛容さです。

(2025年11月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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