地域限定正社員とは、一定の地域内での配属や異動を条件に契約する正社員のことをいいます。一般社員と待遇で差がありますが、転居を伴う転勤がありません。エリア総合職などとも呼ばれます。パートなどの非正規労働者の多くは契約で、雇用期間が決まっているのに対して、限定正社員は正社員と同様、原則定年まで勤めることができます。
労働政策研究・研修機構が就職活動を始めた大学生に調査したところ、72.6%が地域限定を志望する意向を示していました。文系の女性に限れば、85.3%にのぼります。しかし、全国的に事業を展開している企業を調べたところ、地域限定正社員の採用枠を設けているのは、14.3%にとどまっています。高齢化時代、いずれ父母の介護を迫られるなど家庭の事情で全国転勤をためらう社員も少なくありません。人手不足もあり、多様な雇用を受け入れる企業文化は必要です。
(2018年2月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)