地方における保育所の空き増加

日本経済新聞らの調査によれば、保育所の供給過剰が今後強まる兆しが出てきています。2021年の0歳児の新規利用数は、比較可能な2016年以降で初の前年割れです。地方圏で定員の空きが増えている半面、大都市部は利用ニーズが引き続き高く、需給のミスマッチが懸念されています。少子化の進展に加え、2021年は新型コロナウイルス禍の深刻化で利用が減った可能性もあります。
0歳児クラスの利用児童数の市区の平均値は、2021年4月1日時点で582人でした。前年同期に比べて4%減少しています。一方で待機児童が残る大都市部を中心に保育所の整備が続き、定員の平均は903人と増加しています。平均で定員の4割近くが埋まっていないことになります。
0歳児を含む全ての年代でみても、定員の空きは増えています。地域間の需給のミスマッチを改善するには、保育士ら人材の流動性を高めるなど、自治体の枠を超えた対応が必要となります。少子化で長期的には需要が減少に向かう中、広域的な需給管理の仕組みが求められます。

(2021年12月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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