政府は、人口の東京一極集中を是正するための施策を盛り込んだ新たな法案を決定しています。それによれば、東京23区の大学の定員増を原則10年間認めないとしています。地方大学や企業と連携し、専門人材の育成や雇用の創出に取り組み自治体への交付金の創設も盛り込んでいます。地方大学の魅力を高め、地域での若者の進学や就職拡大を促しています。
総務省の調べによれば、地方から東京圏への15~29歳の若者の転入超過数は2016年に約11万5千人で、2012年から34%も増えています。文部科学省の調査では、このうち大学進学者が約7万人と半数以上を占めています。大学進学を機に地方から東京に転入する人が多くなっています。大学を卒業して就職した人のうち、そのまま同じ地域内で就職する割合を示す残留率を都道府県別にみると、東京が76%と飛び抜けています。2位の愛知県66%と比べても9.7ポイント差があります。東京における残留者の3分の2は、大学進学時に他の都道府県から流入した若者です。
(2018年2月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)