地方創生交付金の使い方

 政府は、緊急経済対策の目玉として2014年度補正予算で総額4200億円の地方創生の新たな交付金支出します。それを受けて、各自治体からはさまざまな提案がなされています。地方空港の利用者にク-ポン券を無料で配ったり、子どもの医療費の窓口負担をゼロにしたりするなど地域振興に知恵をしぼっています。しかし、従来型のプレミアム付き商品券も目立ち、国主導のバラマキ政策との批判もでています。
 一方、少子化や子育てに対する支援は十分と言えないところがあります。青森県は、8月から所得制限付きで子どもの医療費の窓口負担を中学校卒業まで無料にする方針です。福岡県は新交付金2億5千万円を使い、18歳未満の子どもが3人以上いる児童手当の受給世帯に1万円分の商品券を給付する予定にしています。医療費の無料化はともかく、児童手当の受給世帯に商品券を給付するのは、交付金の使い道としては簡便ですが、これは一種のバラマキであり、直の意味での子育て支援には繋がらないところがあります。地方自治体としては、恒久的な財源でないため、一時的な支援策として考えざるを得ないところがあります。もう少し少子化対策や子育てに対しては、現物給付の形で支援出来るような長期的な政策が必要です。

(2015年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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