文部科学省の2016年度の調査によれば、小学校教員の約3割、中学校教員の約6割が、過労死ラインとされる月80時間以上の残業をしています。教員の働き方改革に特効薬はありません。学校行事などで忙しい4、6、10、11月に勤務時間を週3時間増やし、その分を8月に5日程度の休みに振り替えるといった活用方法を考えています。あの手この手の総力戦で臨まなければならず、休みのまとめ取り制度も選択肢の一つと考えています。なり手不足が深刻化している教員の仕事の魅力も高められるとしています。
今回の改正案では、教員の残業の上限を月45時間、年360時間以内とする文部科学省のガイドラインを法律に格上げし、順守を求めやすくします。学校現場がこの上限を守ることを条件にして、変形労働時間制の導入を認める方針です。しかし、教員を増やしたり、仕事量を減らしたりしなければ、残業は減らず、根本的な解決にならないと思われます。
(2019年11月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)