外国人労働者の受け入れ

 人口減と高齢化で、15~64歳の生産年齢人口が減る中、外国人の割合が急速に高まっています。参院選で外国人問題が争点の一部となる中、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤真主任研究員の協力を得て、総務省の労働力調査などによれば、日本で働く労働者のうち外国人の割合を算出しました。2024年の全就業者のうち、外国人は230万2,587人に達しています。29人に1人が外国人ということになります。

 割合が高い地域は、東京都や愛知県、大阪府、広島県にかけての太平洋ベルトの地域やその周辺に集中しています。東京都の14人に1人が最も高く、秋田県の133人に1人が最も低くなっています。2009年と比べると、沖縄県は8.1倍、鹿児島県は7.8倍、北海道は7.0倍など、地方で伸びています。

 業種別に見ると、製造業の外国人労働者が59万8,314人で最も多く、割合も17人に1人です。宿泊業、飲食サービス業は27万3,333人で15人に1人でした。漁業や建設業などの伸びが目立っています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、生産年齢人口は2025年の7,310万人から、2070年には4,535万人まで減る見通しです。生産活動を維持するには、日本人労働者だけでは賄えない状況にあります。  

 2027年からは技能実習が廃止され、人材の育成と確保を目指す育成就労が始まります。外国人労働者はさらに増え、2070年には外国人は人口の1割に達すると推計されています。日本で生活できる人材を見極めて受け入れ、職務能力と日本語能力の向上を図ることが大切です。

(2025年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です