人手不足が深刻となるなか、高い日本語能力や専門知識を持つ外国人留学生の採用意欲が高まっています。大手企業が海外展開の橋渡し役となる人材に注目するなど、労働力を補完する役割ではなく、将来を見据えた戦力として招き入れる事例が目立っています。
就職情報会社のキャリタスによれば、2024年度に外国人留学生を採用した企業は25.6%です。一方、2025年度に採用予定ありと回答した企業は38.0%に上っています。コロナ禍前の2019年度の34.8%の実績も上回っています。
採用目的では、優秀な人材を確保するためが、文系の72.6%と理系の78.9%の双方でトップとなっています。日本人で充足できない採用数を補完するといった理由を上回っています。外国人留学生の採用実績のある企業の中には、留学生ならではの意欲の高さを評価する声もあります。こうした人材は円安環境下で海外事業を拡大する際の戦力となり、通商問題が顕在化した際のリスク回避にも貢献します。
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(2025年2月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)