年間の死亡者数も2030年に約160万人となり、多死社会が到来します。現在は全体の7割以上が病院で亡くなっていますが、今後は病院だけでは対応しきれなくなることが予想されます。高齢化の進展に伴い、2025年には在宅医療を受ける人が約100万人になると、厚生労働省は推計しています。2014年の約65万人から約1.5倍に急増する計算です。
来年度の診療報酬と介護報酬の同時改定では、医療と介護双方の協力関係を強化することで、在宅医療や看取りのための体制を充実させることに重点を置いています。訪問診療を行う医師と、介護側のケアマネジャーの連携を強化します。介護施設での看取りも後押しします。特別養護老人ホーム(特養)は終のすみかとしての役割が期待されています。しかし、最期が近づくと病院などに移すと答えた特養は、全体の16%を占めています。同時改定によって、病院以外での看取りは増えていくと思われます。
(2018年2月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)