夜間中学の外国人生徒の増加

 夜間中学校は、様々な事情で義務教育を修了できなかった人らを対象に夜間に開かれる学級です。戦後の混乱期に就学できなかった人や在日韓国・朝鮮人、中国帰国者らが学ぶ場として設置が進み、1955年頃には80校を超えました。高度経済成長とともに縮小されましたが、近年は政府による外国人材の受け入れ拡大を背景に、外国籍の生徒が増えています。

 全国夜間中学校研究会によれば、2024年時点の全国の生徒数は計2,200人です。在日韓国・朝鮮人ら以外で新たに来日した外国人生徒の割合は、2000年時点で2割でしたが、6割に上昇しています。不登校の子どもらの受け皿として、夜間中学の設置を促す教育機会確保法が2016年に成立したこともあり、新設する自治体もじわりと増えてきています。

 文部科学省は日本語指導を充実あせるため、自治体に補助金を出し、母語支援員の配置や多言語翻訳システムの活用などを促しています。2025年度には、日本語指導に関する指針の作成に着手する方針で、指導上の留意点や各地の夜間中学の実践例などについて調査し、それぞれの実情に合わせて参考にしてもらう予定です。地域の日本語教室などと連携している地域もあります。

(2025年3月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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