大人の百日咳

 百日咳は、百日咳菌のくしゃみなどの飛沫感染で起こります。1981年以降、世界に先駆けて副反応の少ないワクチンが使用されており、小児の患者さんは減少してきています。国立感染症研究所によれば、近年は全国的に大人の患者が多くなっています。患者報告数のうち、20歳以上が占める割合は2010年には50%近くにのぼり、2015年も約25%と乳幼児の年代と比べても多い状態が続いています。
 大人の場合、感染しても咳がだらだらと続くものの症状は軽くすみます。治療には抗菌薬があり、発症して早い段階でのむことで菌の排出を抑えられます。文京区で、昨年保育園や幼稚園を中心に百日咳が集団発生しました。大人から子どもに感染し、保育園や幼稚園で広がったのではないかと考えられています。最近では、生後3ヶ月から四種混合ワクチンが接種できるようになっています。ワクチンを打つ前の小さな子どもがいる家庭では特に注意が必要です。気づかないうちに大人が感染源となることがあります。

(2017年11月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。