大学における女性活躍

日本の大学の女性学長比率は、2021年に13.2%と過去最高になりました。しかし、スウェーデンの4割超や米国の約3割と比べると見劣りがします。特に女子大については、米国では女性をエンパワーメントする大学と位置づけ、女性学長比率が9割を超えています。日本での女子大の女性学長数は約3割にとどまっています。今はジェンダー意識が高い学生が多く、このままでは日本の大学が学生のニーズに応えられないという危機感を持っています。
男性の学長は、学内からの登用比率が女性よりも高く、学部長や副学部長など内部昇格の割合も高くなっています。一方、助教や講師、准教授、教授、副学長、学長と職位が上るにつれて、女性の割合が少なくなっています。在職者の男女比の差が、ワニの口のように開いている現状が学長への昇格につながらず、女性学長が増えない一因と言えます。
米国では、米国教育協会が中心となり、女性リーダーを育成するプログラムやネットワークなどがあり、地道な活動があって女性学長比率を高めてきています。女性にも色々なことができるというメッセージを、学長という存在自体で示すことができます。トップに女性が座り、マネジメントし、困難なことにチャレンジしていく姿を周囲に見せることに意味があります。

(2022年2月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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