大学のトップに企業人

国公立大学のトップに民間企業経験者が就くケースが目立ってきています。少子化を背景に大学間競争が一段と厳しくなる中で、経営手腕や外部資金の獲得術、有用な人材の育成のノウハウなどを期待されての登板です。国立大学は国からの運営費交付金が減り、経営基盤が揺らいでおり、産学連携による外部資金の獲得を目指さなければなりません。
大学は経営環境が厳しさを増し、民間企業並みの収益管理が求められるようになっています。一方で効率化を急ぐあまり、研究費や人件費を大幅に削減すれば、教職員の反発を招く恐れもあります。トップは民間で培ったバランス感覚も発揮する必要があります。アカデミアの世界だけで育った教員たちに、経営者的な視点、グローバルな視点を積んだ人が加わることは、今後の大きな流れになっていくと思われます。大学本来の教育・研究と民間発想の経営の折り合いを付けることが是非とも必要になります。

(2018年4月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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