日本経済新聞の調査によれば、社長の輩出人数が最も多い大学は、慶應大学の178人でした。慶應卒の人材は、三田会と呼ばれる同窓会を中心に人脈のつながりが強く、経営者同士の交流も盛んです。2位の早稲田大学は143人、3位の東京大学が124人でした。3大学卒の社長が全体の2割を占めています。

社長の出身大学別の平均売上高を算出したところ、京都大学が6,660億円と首位でした。2位は大阪大学で5,089億円、3位は東京大学で5,076億円と大企業には旧帝大出身者が就く傾向がみられています。
成長性や収益性などの指標を見てみると、難関国立大学や早慶を上回る結果を示す私大がみられます。経営の効率性を表す自己資本利益率(RCE)でランキングしたところ、立命館大学が10.9%と首位、関西学院大学が10.8%、法政大学が10%と続いています。及第点とされる8%を上回ったのが9大学にとどまる中、関関同立やMARCHと呼ばれる私大組が存在感を示しています。

企業の成長性を示す指標として純利益の増加率では、36.4%増の上智大学が首位に立っています。成長性や経営の効率性の高さは、株価指標にも表れます。株式市場の評価を示すPBR(株価純資産倍率)では、首位の東京大学の1.49倍に次ぐ2位に立命館の1.34倍が入っています。
(2025年2月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)