文部科学省は、大学の運営を第三者が審査する認証評価制度を見直します。在学中の学生の成長具合など教育の質を測る指標をつくり、複数段階で評価します。受験生らが偏差値やイメージではなく、教育内容を比較して進学先を選べるようにします。大学間の切磋琢磨を促し、大学教育全体の質向上にもつなげるとしています。
認証評価制度は、2004年度に大学新設の規制が緩和されたことを受け、教育の質を担保するために始まりました。国公私立の全大学は、それぞれ7年以内に1回、文部科学大臣が認めた認証評価機関による書面審査や大学幹部や学生への聞き取りなどの実地調査を受けています。
文部科学省は、新たな認証評価では、在学中にどれくらい力を伸ばしたかといった教育の質を測る指標をつくり、結果を数段階で示す方針です。シラバスの記載内容を実行できているかや、学生の将来の希望に沿った講義を履修できるよう助言できているか、学生の予習・復習の有無の確認なども検討項目となります。
英国では、外部機関が教育の質を金、銀、銅の色で格付けしています。教育内容、成績へのフィードバックへの満足度、学生の成果や就職率などが指標です。要改善とされた大学は、授業料引き上げができず、経営的に厳しくなります。
(2025年1月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)