近年、大学生の発達障害が増加しています。大学においては、特に8年前の20倍以上に急増した発達障害の学生についての体制作りが問題になっています。発達障害は、広汎性発達障害、注意欠陥・多動性障害などの総称で、知的障害を伴うこともあります。教室移動や履修登録ができない、ノートがとれない、友人ができないなどの形で表れ、それを苦に通学しなくなる学生も出てきています。
大学では身体障害への配慮は一定程度進んできました。しかし、発達障害の支援は、見ただけでは分かりにくいことや、スロープ設置などの設備面だけではなく、個人に合った長期支援が必要なため、なかなか対応ができていない状態にあります。多様性のある学生の一人としていかに支援するかが、今後の課題です。オーダーメードの継続的な支援が欠かせず、必要に応じて学内外の専門機関と連携することが必須となります。また就活支援が今後の大きな課題になります。
(2016年2月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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