大腸がんの早期発見にAIの導入

人工知能(AI)で、患者の病変を見つけるプログラムの本格的な導入が始まります。オリンパスは、大腸の早期がんなどの診断を支援する国内初のシステムを発売します。医師は、通常の内視鏡検査と同様に、スコープを患者の体内に挿入して大腸のポリープを撮影します。医師が内視鏡を操作すると、AIが患部の血管や細胞の構造を解析し、腫瘍の確率97%などと瞬時に表示します。後にがんになる恐れがある腫瘍性ポリープであれば、すぐ切除する手術に移れます。
これまでは、同様の検査では熟練の医師がその場で判断するか、組織の一部を採取して精密な検査にまわしていました。開発したAIの判断の正答率は9割超と、経験の浅い医師らの7割前後を大きく上回っています。新プログラムを使うことで、検査に携わる医師らの業務量が適正になります。悪性でないポリープを切除する不要な手術がなくなり、患者の負担が減ることもあります。医療現場でAIを使うにあたって、最終的な責任を誰がとるかが問題になります。現状ではあくまでも医師のサポート役であり、最終的な責任は医師が負うことになります。

(2019年3月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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