太陽光パネルの義務化

東京都は昨年の12月の都議会で、太陽光パネルの設置を義務化することを決めました。大きな建物では、京都市などが義務化していますが、戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務づけるのは国内で初めてです。都は、太陽光パネル設置の目的を温暖化対策だとしています。都は、2030年までに温暖化ガスの排出を半分にするカーボンハーフを目指しています。都内のCO2排出量は、7割が建物でのエネルギー使用によるものです。
戸建て住宅で対象になるのは、大きな住宅メーカーがつくる家だけです。都内で1年間に新しく建てられる家は約4万6,000棟あり、このうちの約半分が設置対象になります。都は、延べ床面積2,000㎡以上の新築のビルやマンションにも太陽光パネルの設置を求めています。
設置費用が98万円かかります。使っているうちに設備が故障することもあるので、交換費用が23万円、合計で121万円かかります。一方、家で発電することで電力会社に支払う電気代が減ります。売電も含めて30年間で240万円に上る見通しです。240万円から121万円を引くと、119万円の得になります。設置する際に出る40万円の補助金も活用すれば、159万円の得になります。通常の太陽光パネルの寿命は20~30年と言われています。
EUは、2029年までに全ての新築住宅に太陽光パネルの設置を義務とすることを検討しています。ドイツや米国では既に義務化している地域もあります。家を建てられる人だけが得をするのではとの反対意見もあります。

(2023年3月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。