奨学金返済の負担―Ⅱ

資金調達と返還の仕組み

 生活費が上がり、奨学金は学生の大きな助けになります。機構の調査によれば、自宅外から私立大学に通う学生は平均で年51万円を借りていて収入の2割を占めています。自分の負担する利率は入学時など借り始めた時には分からず、卒業時など借り終えた時に決まります。当初に予期しなかった高い利率での返還も後から決まることになります。

 返済が長期にわたる奨学金の原資は、国の長期・低利の財政融資資金を使います。機構は在学中に貸すお金について、債券の発行などで短期・中期の資金として自前で調達します。貸与総額が固まった段階で、長期の財政融資資金に借り換えます。この時の利率が学生の返還利率に結びつきます。2段階で資金を調達するため、卒業時まで利率が決まりません。この方法により、学生から返してもらう際の金利と国へ返す金利に差が出ることを防ぐことができます。奨学金制度を安定して運営できることになります。

 学生側は、金利の動向に応じて固定か見直しかの方式を卒業前までに選択します。また、在学中は国の補助で無利子となる仕組みで、返す時も3%超の高い利率を心配しなくて良いことになります。一定の保護策はあるものの、返す利率が分からずに借金し始めるという、一般のローンにはない独特の悩みを抱えることになります。

(2026年2月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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