女性活躍にとって労働時間は、避けて通れない問題であります。長時間労働のみならず、いつ働くかという問題も切実です。労働政策研究・研修機構主任研究員の池田心豪氏の調査によれば、所定の終業時刻が午後6時以降の場合、産休・育休から復職後5年間の就業継続率が低下することが分かりました。残業がなくてもシフト勤務の遅番のように終業時刻が遅いと仕事と育児の両立は難しくなります。保育園のお迎えに支障がでます。男女機会均等法が施行された1986年と現在を比べると、午後6時から午後8時の夜間就業割合は上昇しています。
働き方を見直すことは必要ですが、顧客の立場になれば営業時間短縮は不便になります。こうした夜間就業に対しても対応できるような保育も考えなければなりません。夜間勤務や当直勤務にも適応できるような保育も大切となります。待機児童のような保育の量的問題のみならず、質的問題も女性の活躍を考える上で、今後は重要になってきます。
(2016年4月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)