4月からの女性活躍推進法が全面施行されました。女性社員自体が数少ない業種の場合、女性活躍が遅れがちになります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をみると、女性の従業員比率が低い業種は①建設業②運輸業・郵便業③電気・ガス・熱供給・水道業です。これらの業種の部長・課長クラスの女性管理職比率は、それぞれ1~3%台にとどまっています。
男性が多い職場でどうしても女性活躍の取り組みが遅れがちだった業種にも、積極的に挑む動きが出始めています。結婚や出産で仕事と家庭の両立が難しいとして退職したり、管理職への昇格を希望しなかったりする女性がこれまでは多くみられました。女性職員への支援体制を手厚くし、家事と育児の両立ができることを実際に見せることにより、後輩がロールモデルが身近にいることを知ることが、何より大切です。女性社員が管理職になりたいと思うような風土作りが今後の課題となります。多様な働き方を受け入れて優秀な女性社員をつなぎとめることが、企業にとって大切な戦略となります。
(2016年4月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)