結婚や出産を機に仕事をやめる女性が多く、就業率が30代で下がるМ字カーブを描いているのが日本と韓国である。しかしながら、韓国では日本よりも早く、政治や経済の分野で積極的で強力なクオータ制度を取り入れている。
クオータ制とは企業の役員や国会議員などに女性を増やすため、一定割合を女性にするよう義務づける制度である。ノルウェーは上場企業の役員を男女それぞれ40%以上にするように義務づけている。日本での衆議院議員の女性比率は近年増加傾向にあるが、未だ8.1%と世界で最も低い水準であり、企業における女性役員の比率も極めて低い。
こうした制度の充実は女性の社会進出をより一層増加させ、女性の登用を促進させることになる。女性が出産や育児でキャリアが途絶してしまうことは、社会にとって大きな損失であることを考えると、わが国でもクオータ制を取り入れることが必要になるかもしれない。企業において女性役員が一定の割合で登用されることになれば、女性のモチベーションがあがり、キャリアを継続する上で意義深い制度になると思われる。
(2013年11月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)