昭和の終わりの1986年(昭和61)に、男女雇用機会均等法が施行されました。その頃から女性は結婚して夫を支える立場から、働いて自己実現を目指す方向へと大きく踏み出しました。女性の就業率は上昇し、共働き世帯の数は専業主婦世帯を上回るようになりました。1999年(平成11)労働者派遣法が改正され、派遣可能な業種が原則自由化されたことなどから、非正規で働く女性も増えました。しかし、共働き家庭は増えましたが、女性の負担は減っていません。
2016年(平成28)には、女性活躍推進法が施行され、企業は、指導的な立場の女性を増やす目標に向け、本腰を入れるようになりました。男性の補助的な立場から指導者になる女性も増えてきました。女性の進出を阻むガラスの天井は依然として存在しますが、社会が女性に求める役割は大きく変わってきています。平成の30年間は、女性の仕事に対する向き合い方が劇的に変化した時代です。
(2018年1月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)