国家公務員の働き方に関する内閣人事局の調査によれば、女性職員は男性と比べて昇進意欲が低いことが明らかになりました。昇進意欲があると回答した男性は64.8%でしたが、女性は50.2%でした。昇進意欲がない理由を女性職員にたずねると、仕事と家庭が両立できない職場環境との回答が41.7%を占めています。重要なポストを経験していない、育児などでキャリアが中断して、職務経験が不足していることを挙げる女性も目立っています。
常態化した長時間労働など仕事と家庭が両立できない環境は、女性職員の勤務意欲にも反映されています。数年以内に辞職意向がある職員は、30歳未満では女性が9.7%と男性の14.7%より低いのですが、30代以上ではいずれも女性が男性より多くなっています。その理由は仕事と家庭の両立の難しさが、40代以下でいずれも4割超に達しています。優秀な職員を引き留めるには、働き方改革と職場の魅力向上が急務となっています。
(2020年8月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)