総務省の調査によれば、2018年の女性の就業率が全年齢ベースで51.3%となり、50年ぶりに5割を超えました。人手不足や育児と両立して働きやすい環境づくりが進んだことが背景にあります。2018年平均の就業者数は男女合わせて6,664万人です。女性の就業者は2,946万人で前年に比べて87万人増えています。増加数は男性(45万人)の2倍となっています。年齢別に女性の就業率を見ると、25~34歳が77.6%で前年に比べて1.9ポイント、35~44歳は75.8%で同2.5ポイントそれぞれ上がっています。
近年は仕事と育児を両立できる働き方が広がった結果、退職する女性は減り「M字カーブ」の解消が一段と進んでいます。産業別で女性の就業者が最も増えたのは、宿泊・飲食サービス業です。2018年平均で260万人と、前年に比べて20万人増えています。介護現場など医療・福祉で、14万人増で続いています。
高齢者も含めて女性の就業率が5割に達したことは、働き方改革が一定の成果を上げたことを示しています。ただ男性の7割とはまだ差が大きい状況です。北欧諸国では、15~64歳の女性の就業率が8割に達していますが、同年齢層の日本女性の就業率は、7割にとどまっています。65歳以上の就業率は24.3%、75歳以上では9.8%といずれも上がっています。ただ健康寿命が伸び、働く意欲を持つ高齢者は増えているため、高齢者の労働参加もまだ伸びしろがありそうです。
(2019年2月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)