日本経済新聞らが、女性社内役員に実施した調査によれば、女性役員を成長させた経験としては、管理職への昇格が最も多く、28%を占めています。他部門への異動が25%、新規事業立ち上げが14%で続いています。組織運営を学ぶうえで、管理職への昇格は大きな試金石となるようです。新規事業立ち上げも経営者としての力量を伸ばす絶好の機会といえます。
役員に就けた理由は、経験が30%で最多です。2番目の実績が23%、3番目の女性だからが16%で挙がっています。一部の企業では、今も女性に専門的仕事を任せたり、同一部署に長くとどめたりする人事を行う例が少なくありません。幅広い経験を若い頃から積ませることが重要になります。
一方、女性の役員昇進を阻む要因としては、家事や育児の負担が女性に偏りがちな社会構造、女性本人の自分に対する自信のなさ、女性に成長の機会が十分与えられていないが、それぞれ23%と上位を占めています。女性役員を増やすために会社に望む施策を聞くと、社外とのネットワークづくりの場を提供が19%、役員に必要な知識の教育・研修が19%、子会社や関連会社の役員を経験させるが17%と挙がっています。
(2021年3月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)