2013年5月、少子化危機突破タスクフォースは、妊娠・出産に向けた知識の教育や啓発のために、女性手帳(仮称)の配布を考えた時期があった。この手帳は女性のためではなく、男性にも妊娠や出産に大切な身体のしくみを理解していただくための教材であり、マスコミ報道で見られたような「国が女性に妊娠・出産を強要する」といった主旨では全くなかった。誤解を招くような報道をされたことは極めて遺憾であった。
リクルートは、独自で国民に女性手帳についてアンケート調査を実施している。それによれば、国民の45%が女性手帳について賛成しており、年齢が低いほど賛成の割合が高いことが明らかとなった。反対は一割程度と極めて少なく、国民は妊娠出産に関わる知識を必要としている。マスコミによるこれら手帳に関するミスリード報道は考え直して頂きたいものである。若い男女が自らの身体のしくみを知り、妊娠には何が大切であるのか、出産とはどういうことなのか、子育てはどのようにしていったらよいのかなどを知ってもらうための教材が必要である。学校教育ではほとんど考えられていないことが問題である。
(吉村 やすのり)