政府は、2020年までに指導的地位における女性の割合を30%にするとした男女共同参画政策の目標達成を断念しました。安倍政権は女性活躍を掲げていますが、政治・経済分野を中心に女性登用が遅れています。現行の目標は、2003年の小泉政権下で設定されました。女性リーダーを各分野で3割にする目標を、国は17年かけても達成できませんでした。指導的地位とは、国会議員のほか、公務員や企業の経営・管理職層などを指します。政府は2021年度から5年間の次の男女共同参画基本計画を年内につくる予定です。
政治分野での女性参画が、国際的に見て非常に遅れています。衆院議員に占める女性の割合が1割未満で、世界193カ国中166位となっています。具体的な対策として、政党に対し、数値目標の設定や、候補者の一定数を女性に割り当てるクオータ制の導入を求めることなどを挙げています。クオータ導入の背景にあるのは、自主性や時間の経過に委ねていては平等が実現できない状況にあり、積極的な改善措置が必要だとの発想です。
(2020年7月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)