文部科学省の2018年度調査によると、全国の大学の工学部に在籍する女子学生の割合は15.0%です。理学部27.8%、医学部33.3%と3割程度で、文学部70.8%や社会学部54.5%などの文系学部に比べて低率です。大学や企業の研究者も、同様の傾向がみられます。2019年版の男女共同参画白書では、リケジョが少ない背景として周囲の女子の進学動向、親の意向、ロールモデルの不在といった環境の影響を指摘されています。
男女共同参画社会に向けた取り組みを担当する内閣府では、こうした状況を変えていくため、大学や企業の協力を得て、各地で実験教室や職場見学といったイベントを開催しています。実際に活動している女性研究者らを派遣し、講演などを通じて理系の仕事の魅力を伝えています。科学技術の活性化には多様な視点が必要とされます。多くの女性に理系に目を向けてもらえるような対策を考えていく必要があります。
(2019年7月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)