妊娠のための教育講座Ⅲ 不妊とは

 生殖(生物が自分と同じ種類のなかまをつくること)可能な年齢にある男女が避妊することなく、性交渉を行っていても2年間妊娠しない場合に不妊と考えるのが一般的です。医学的な治療を要する場合を不妊症と呼びます。

 不妊の状態には、一度も妊娠したことのない「原発性不妊」と、少なくといも一度妊娠したことのある「続発性不妊」があります。どうしても不妊というと女性に問題があると思われがちですが、実は男性不妊も4割以上もあるのです。ですから、診療は必ずカップルで受診して欲しいと思います。女性の不妊症の検査は、痛みを伴うことが多く、種類もたくさんあります。一方、男性の場合は精液検査で大体のことが予想できますので、早めに検査することが大切です。

 女性は年齢の上昇とともに卵子の数が減少し、また質が低下すると言われています。月経があればいつでも妊娠できるわけではありません。「妊娠適齢期は25歳から35歳」ということを、男女ともに認識して頂きたいと思います。この時期に妊娠できるようにカップルがお互いに努力すべきです。仕事はいくつになってもできますが、妊娠はそうではないことをご理解頂きたいと思います。

また、不妊治療には精神的、肉体的、金銭的に多くの負荷がかかります。職場の方々へ治療をしていることを打ちあける女性もまだまだ少ないようです。もっと周囲の力を借りられる社会になるためにも、女性のからだの仕組みについてたくさんの方に知って頂きたいと思います。

(吉村 やすのり)

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