妊娠中の体重増加

妊婦がやせすぎだと、赤ちゃんが低体重や早産で生まれたり、母体が貧血になったりするリスクが高くなります。逆に太りすぎだと胎児が大きくなって帝王切開のリスクが高くなります。妊娠高血圧症や妊娠糖尿病のリスクも高まります。やせも肥満も注意が必要です。
欧米では肥満の妊婦が多いのですが、最近日本ではやせた人が多くなっています。体重を身長の2乗で割った体格指数(BMI)で見ると、日本人女性の平均値は1970年代以降は減少傾向にあります。特に18.5未満の低体重の割合が増加し、2017年には20~29歳の21.7%、30~39歳の13.4%を占めています。一方で2,500グラムに満たない低出生体重児の割合は、1975年の5.1%から2004年に9.5%に上昇しています。
日本産科婦人科学会は、今年妊娠前のBMIに応じて出産までどの程度の体重増加が適切かの目安を示しました。太っている人は過度に体重が増えないように、やせている人はむしろ体重が増えた方が自然だという考え方です。BMIが18.5未満の低体重は12~15㎏増、25以上30未満の肥満は7~10㎏増が目安です。30以上の人は医師と相談して個別に対応し、5㎏増を上限と考えています。日本人女性の多くを占めるBMI18.5以上25未満の普通の人は10~13㎏増が適正とされています。

(2022年1月10日 岐阜新聞)
(吉村 やすのり)

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