妊娠・周産期の母児マイクロバイオームは、母親の健康や妊娠経過、出生児の発育に影響を及ぼすと考えられていますが、健常マイクロバイオームの定義は確立していません。健常マイクロバイオームは、新たな予防医療や治療の目標となる可能性があります。
杏林大学の研究グループは、国内の妊婦・出生児の腟内・腸内細菌叢を妊娠12週から出産後1ヶ月まで追跡しました。その結果、Lactobacillus属が妊娠早期の腟内に多く存在すると、妊娠が38週以降まで継続する割合が高いことが明らかとなりました。
海外コホート研究とは異なり、日本人妊婦の腟内のLactobacillus属の中ではLactobacillus crispatus が優勢でした。出生児の腸内細菌叢では、母体の様々な部位と共通する細菌群が検出されるとともに、細菌叢が出生後早期から劇的に変化しながら構築されていくことが示されました。
(杏林大学HPより)
(吉村 やすのり)







