女性活躍を進めるには、妊娠期の働き方改革も必要です。働く女性が増える中、妊娠期の体調不良は、女性の目立つ職場で問題視されるようになってきています。日本教職員組合の調査によれば、2015年以降に妊娠・出産した50歳未満の教職員1,890人のうち、53.1%が切迫早産など妊娠中のトラブルがあったと回答しています。
妊娠初期に起こるつわり症状は、さまざまです。全く飲食を受け付けない場合、3ケ月もの長期間に及び入院を余儀なくされる場合もあります。つわりの症状は人によって、妊娠毎に全く異なります。妊娠2~3ケ月にはつわり休暇を認めることも、働く女性にとっては必要かもしれません。3~4ケ月には出血が起こり、切迫流産と診断されることもあります。残業などは体調不良の一因と考えられていますが、当事者の悩みは職場で理解されづらいことが多くなっています。長時間労働や職場のストレスなどは、母子双方に悪影響を与えます。妊娠している女性にとっては、離職することなく仕事が継続できるような職場の理解が必要です。
(2018年4月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)