妊娠中や出産前後の国会議員にインターネットを使った遠隔投票を認める制度の導入が、自民党内で検討されています。当初は他の議員に投票を委ねる代理投票も検討していましたが、衆院法制局から、国会議員は憲法上、全国民を代表することから困難という見解を受け、遠隔投票に絞っています。遠隔投票制度が導入されれば、出産前後の国会議員が自宅や病院などから議決に参加できるようになりますが、党内では慎重論が根強いものがあります。今後、なし崩し的に病欠などにも対象が広がりかねないとの懸念を考慮し、妊娠中や出産直後の女性に限定しています。
スペインは下院で2012年から導入しています。対象者は妊娠・出産・育児中や深刻な病気の議員で、IDカードやパスワードで本人を識別し、「賛成」「反対」「棄権」のいずれかを送信して投票します。遠隔投票した人は出席と扱われます。フランスやスウェーデンは、代理の議員に投票を委任できる制度を導入しています。
(2019年2月27日 読売新聞)
(吉村 やすのり)