子どもに対する新型コロナワクチン投与

新型コロナウイルスワクチンの接種対象が5~11歳にも広がる見通しとなりました。接種の機会が広がることを多くの小児科医は歓迎しています。免疫不全など、重症化のリスクを抱える子どもにとって、ワクチンは有効な予防策となるからです。
米国では、5~11歳で190万人が新型コロナにかかり、94人が死亡しています。一方で国内では、10歳未満の死亡例の報告はありません。インフルエンザウイルスやRSウイルスが原因で、毎年子どもが亡くなっているのに比べると、接種のメリットを実感しにくい状況にあります。
しかし、米国では、感染後に重い後遺症の小児多系統炎症性症候群の子どもが6千人近く出て、50人以上が死亡しています。国立成育医療研究センターの調査によれば、小学1~3年生の50%が接種を受けたいという結果が出ています。少なくとも自分が感染するリスクは低くなるため、不安からのストレスを解消することができるならば、接種したいと思う子どもは結構います。

(2021年12月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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