子どもの予防接種とワクチンギャップ

幼児向けの予防接種は多岐にわたります。2歳までに受けるのは、ヒブ、肺炎球菌、BCG等の公的負担のある定期接種のほか、B型肝炎やおたふくかぜなど原則自己負担の任意接種も含め10種類以上あります。今年10月には水痘(水ぼうそう)が定期接種になりました。子どもの予防接種は時期や回数が決まっており、スケジュールは個々で把握しておかなければなりません。集団接種が中心であった昔とは異なり、予防接種の受け忘れを防ぐために、自治体が保護者向けにスケジュール管理などのサービスを始めています。

 予防接種に積極的な欧米に比べ、接種ワクチンが少ないワクチンギャップも生じています。ワクチンギャップとは、接種することが望ましいワクチンが無料で受けられる定期接種ではカバーされず、保護者の知識の有無や経済的な状況により、子どもが受けられるワクチンに個人差、すなわちギャップが出ていることを示します。諸外国ではすでに一般的に接種されているワクチンなのに、日本ではまだ普及しているケースも珍しくありません。こうした諸外国とのギャップもあります。子宮頸がんワクチンも代表的な例です。

(2014年12月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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