子どもの弱視

 弱視は50人のうち1人の頻度で発症し、斜視や強い遠視などによって視力が正常に育たない状況をいいます。外見からは分からず、親が発見することは困難です。3歳児健診で見つけて治療すれば、小学校に入る前に治せます。弱視は近視と異なり、眼鏡で矯正しても視力が十分に出ません。見る力が発達する乳幼児期に治療することが重要で、3歳児健診の視力検査は大きな節目になります。
 3歳児健診は市区町村が実施しますが、弱視が見逃されるケースは少なくありません。スクリーナーという機器を使った簡易検査が有用です。スクリーナーは弱視のリスクを1秒で調べることができます。一方、家庭で気を付けられることもあります。目を細めたり、首を曲げて見たりするのが目立つ子どもや、片目を隠すと嫌がるなどの反応が見られる場合、弱視の可能性があります。子どものこうした行動などは、生後3カ月頃からチェックできます。該当する項目が1つでもあれば、眼科に相談することが大切です。

(2017年11月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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